空港リムジンバスによる客貨混載輸送

▼ヤマト運輸大分主幹支店における大分交通空港リムジンバス(2018年6月ヤマト運輸(株)並びに大分交通(株)関係職員立会いの下で撮影)

平成30年4月、近年インバウンドの観光客等が増加している大分空港で、航空利用客(到着)のスーツケース等を当日夕刻までに大分・別府市内の宿泊先まで運ぶ「手ぶら観光」サービスが始まりました。同種のサービスは各地で行われていますが、大分の場合、大分空港から大分市内への輸送に既存の空港リムジンバスを活用する点が注目されます。
本サービスは、大分交通(株)・大分航空ターミナル(株)・ヤマト運輸(株)の3社共同で実施されます。大分空港から大分・別府市内への荷物の配送は、通常のヤマト運輸の配送システムでは翌日配送となり、当日配送のためには新たに大分空港から大分市内までの運行車を設定する必要がありました。これはコストアップになるのみならず、昨今のトラックドライバー不足のなかで、実現困難でした。このため、大分交通の空港リムジンバスのトランクルームに荷物を収容することで、新たな運行車設定を回避しました。荷物の流れは下記のとおりです。
大分空港では、大分航空ターミナルのスタッフが荷受カウンターでスーツケース等の荷物を受託し、バスの出発時刻になれば10m程離れたバス乗り場まで荷物を運びます。大分交通(株)のバスドライバーが荷物を積み込み、バスは大分市内へ向かいます。大分駅で旅客を降ろした後、大分交通大分営業所まで回送する途中、大分営業所に隣接するヤマト運輸大分主幹支店に乗入れます。ヤマト運輸大分主幹支店で、大分交通のドライバーが荷物をヤマト運輸のスタッフに引き渡し、大分主幹支店からは、通常のヤマト運輸の配送システムに載せて、当日中に大分・別府市内に荷物を配送します。
すなわち、本サービスは、大分交通の空港リムジンバスがわずかに迂回してヤマト運輸大分主幹支店を経由する以外、新たなコスト・労力・時間的損失はほぼ発生せず、既存の輸送力を活用しながら当日配送を実現したものです。
通常はトラックしか出入りしないヤマト運輸のトラックベイに空港バスが乗入れているところは珍しく、客貨混載輸送を象徴する光景といえましょう。(2018年9月)


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