アンダートン・ボートリフト

▼アンダートン・ボートリフト(2017年8月撮影)

イギリス、マンチェスターより南西へ鉄道で約1時間のノースウィッチNorthwich近郊に船舶昇降機アンダートン・ボートリフトAnderton Boat Liftがあります。アンダートン・ボートリフトは、高低差のあるトレント・マージー運河Trent and Mersey Canalとウエイヴァー川River Weaver間での船舶航行を可能にするため、船舶を浮かべた水槽(ケーソン)ごと上下させるいわば船のエレベータです。2基のケーソンが並置され、それぞれピストンで地中のシリンダーに繋がっています。2基のシリンダーは連結されていて、上部ケーソンに下部ケーソンより僅かに多くの水を入れることで、動力を使用せず上部ケーソンは下降し、その水圧で下部ケーソンは上昇します。なお、起動および調整用に小出力の蒸気機関も設置されていました。
アンダートン・ボートリフトは1875年に供用開始しました。既に鉄道時代に入っていましたが、既存運河ネットワークのボトルネット解消のために整備されたものと思われます。
現在はもっぱら観光用で、現地では75分のボートトリップがあり、船のエレベータ体験とウエイヴァー川周遊を楽しむことができます。
アンダートン・ボートリフトは、整備当初は上記のようにユニークかつエコな水圧式でしたが、その後ピストンの腐食の問題から、電動式に改められました。しかし現在は再び水圧式に復元されています。ただし、腐食問題を避けるため、ピストンはドイツ製のステンレス・スチールで、地中のシリンダーは水ではなく油で満たされているそうです。(2018年4月)


トップページ

研究分野

研究業績

フィールドワーク

山本雄吾ゼミナール

コラム

 

Contact

〒468-8502

名古屋市天白区塩釜口1-501

名城大学経済学部産業社会学科

山本雄吾研究室

 

Yugo Yamamoto’s Office

Faculty of Economics,

Meijo University

1-501, Shiogamaguchi, Tempaku,

Nagoya 468-8502, JAPAN 名城大学経済学部