レンツブルク鉄道橋とオープンループ

▼レンツブルク鉄道橋(2015年8月撮影)

ドイツ北部のレンツブルク(Rendsburg)に、橋梁延長2,200m、水面から橋桁までの高さ42mという大規模なレンツブルク鉄道橋(Eisenbahnhochbrücke Rendsburg)があります。レンツブルク鉄道橋は、キール運河を渡るために今からほぼ100年前(1913年)に建設されました。キール運河は、ユトランド半島の付け根で北海とバルト海をショートカットするために19世紀末に整備されました。したがって、キール運河には大型の外航船が航行します。20世紀初頭、ドイツとデンマークを結ぶ鉄道が計画されましたが、キール運河架橋にあたっては、大型船の航行を妨げないため高高度まで線路を持ち上げる必要がありました。このため山間部ではない平地のレンツブルクに大鉄橋が誕生することになりました。また、レンツブルクの街の中心地はキール運河のすぐ北側にあります。街の中心地に駅を設置すると、そこからキール運河までの僅かな距離で42m高度を上げることは不可能です。そのため、小判型のループ線を設置し距離を稼いで高度を上げています。通常、ループ線は山間部で線路の勾配を緩和するために使用されるので、しばしばトンネルに隠れており、レンツブルクのような完全なオープンループは幹線鉄道ではきわめて珍しいものです。平地に立ち上がる壮大な鉄の構造物である大鉄橋も、まるで鉄道模型のレイアウトのようなオープンループも、わが国では見られない珍しい鉄道風景となっています。(2016年1月)


Google マップを表示してご覧ください。 オープンループの形状が確認できます。

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