シュトラウスベルクの電動船

▼シュトラウス湖の電動フェリー(2015年8月撮影)

ドイツ、ベルリン近郊のシュトラウスベルクStrausbergに風光明媚なシュトラウス湖があります。この湖を横断する電動フェリーを見てきました。「電動」といっても、最近のハイブリッドやリチウム電池でモーターを駆動する電気推進船ではなく、湖の両岸を結んで上空に延長約350mの路面電車のような架線が張られており、ここからトロリーポールで集電して船内のモーターを駆動するシステムです。さらに、スクリューによる推進ではなく、両岸を繋いで水中に2本の鋼製ケーブルが固定されており、これを船内のモーターが巻き取ることで船を動かします。なおケーブルは帰線を兼ねているようです。
この路面電車とロープウェイとフェリーを足して3で割ったようなユニークな乗り物は、100年前の1915年に、それまでのはずみ車や石油エンジン駆動のフェリーに代わって登場しました。
ところで、ケーブルを設置するのであれば、むしろ通常のロープウェイのように動力を地上側に置いた方が船舶への給電が不要でシンプルな気もしますが、水中でケーブルを動かす抵抗が大きく、このようなシステムになったのかもしれません。いずれにしても、この種の電動フェリーは欧州では唯一の存在とのことです。
対岸までの所要時間は6分ほど。見かけはフェリーですが、起動時のガクンとした衝動は、スクリューで水を押し出す通常の船舶とは明らかに異なる、陸上の交通機関のようでした。(2015年9月)




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