パリの高架公園

▼Promenade Plantee(2012年3月撮影)

パリ12区、バスティーユ広場に面した新オペラ座L'Opera de la Bastilleの裏手から、レンガアーチの高架橋が東に向かって伸びています。階段を上がってみると木陰の繋がる緑の遊歩道でした。
これは、プロムナード・プランテPromenade Plantee と呼ばれる高架橋上の細長い公園で、全長は4.5kmもあります。もともとこの高架橋は複線の鉄道線路でした。1859年から1世紀あまり、現在の新オペラ座の位置にはフランス国鉄のバスティーユ駅があり、パリ東部Vincenne方面への近郊列車が発着していました。1960年代からのパリ交通公団の急行地下鉄Réseau express régional:RERの整備に伴い、同線はRERと相互乗入を行うこととなり、同線の市内区間も地下化されました。この結果、不要になった高架橋はしばらく放置されていましたが、1993年に公園として整備されました。
都市の景観を高い視点から眺めながらの散策は新鮮な体験で、公園内では人々がのんびり散歩したりベンチで読書をしたり、ゆったりとした時間が流れていました。この「ゆったり感」は、鉄道インフラとして任務を全うし、今は悠々自適で第2の人生を楽しんでいる(?)レンガアーチの高架橋殿が醸し出しているのでしょうか…。
2009年、ニューヨークにも同様の高架廃線跡を再生した公園、ハイラインHigh Lineが整備され、人気スポットとなっています。わが国でも、2004年の東急東横線の横浜高速鉄道への乗入で不要となった横浜〜桜木町間の高架線の活用が注目されていますが、「自転車も通れる遊歩道や駐輪場」(横浜市都市整備局都市交通課)として整備中とのことで、パリやニューヨークとはややコンセプトが異なるようです。プロムナード・プランテのような「ゆったり感」のある緑道が都心にできることを願っています。(2014年7月)

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